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SAP Subscription Billing × S/4HANA Cloud 連携(57Z)— …

  • By Sanjay
  • 16/06/2026
  • 6 Views


はじめに

本記事では、57Z連携の第二ステップとして、Subscription Billingで料金要素(Rate Element)を登録する手順を解説します。

料金要素は、サブスクリプションの課金計算の基本単位です。本記事では、産業機械のIoTサービスに対応する繰り返し使用量ベースの2種類の料金要素を登録します。


料金要素とは

料金要素は、料金の種類を表す最小のビルディングブロックです。例えば携帯電話の料金プランであれば、通話料・SMS使用料・データ通信料のように、請求を構成する個々の料金単位がそれぞれ1つの料金要素に対応します。

SAP Subscription Billingでは、料金要素が最終的に顧客へ請求される金額を形づくる最小単位となり、請求書では個々の明細として表示されます。

この料金要素には以下のタイプがあります。

タイプ 説明
ワンタイム 一度だけ発生する料金 サブスクリプションの初期登録料
繰り返し 一定周期で繰り返す定額料金 IoTサービス月額料金
使用量ベース 実績使用量に応じた従量課金 稼働時間に応じた加算料金

IDの番号範囲について

Subscription Billingで作成された料金要素・製品は、MDI経由でS/4HANA Cloudの製品マスタとして連携されます。このとき、S/4HANA Cloud側の既存製品番号と重複すると転送エラーが発生するため、Subscription Billing側のIDにはS/4HANA Cloudと重複しない番号範囲を設定することが重要です。

番号範囲はコンフィグレーション機能(ビジネスコンフィグレーション管理)で指定できます。標準の番号範囲は以下の通りです。

オブジェクト 標準プレフィックス
料金要素 R 始まり
製品 P 始まり

RP をプレフィックスとすることで、S/4HANA Cloud側の製品マスタ番号体系(通常は数字または別のプレフィックス)との衝突を防ぎ、MDI経由のレプリケーションを確実に実行できます。

本記事では、月額固定料金に使用する繰り返し(RZRK1_REC_57Z)と、稼働時間ベースの使用量課金に使用する使用量ベース(RZRK1_USG_57Z)の2つを登録します。


繰り返し料金要素の登録

Step 1: 料金要素一覧画面を開く

Subscription Billingのラウンチパッドにアクセスし、「ビジネスコンフィグレーション管理」アプリを開きます。

左メニューから「料金要素」をクリックすると、登録済みの料金要素一覧が表示されます。

画面上部の「作成」ボタンをクリックすると、料金要素タイプのドロップダウンメニューが表示されます。

Prod04_Rate_Element_New.png


Step 2: 繰り返しを選択する

ドロップダウンメニューから「繰り返し」を選択します。

画面右側に新規作成フォームが表示されます。上部に「繰り返し」バッジが表示されていることを確認します。

Rec03_New_Form_General.png


Step 3: 一般情報を入力する

一般情報」タブに以下の項目を入力します。

項目 入力値 備考
ID RZRK1_REC_57Z プロジェクト固有のID体系に合わせて命名
ラベル(日本語) 57Z_定額料金 画面表示用の名称
単位 各 (EA) 繰り返し料金の数量単位。月額固定料金では「各」を使用
有効 ON(デフォルト)  

Rec01_Rate_Element_General_Hl.png


Step 4: 繰り返しタブを設定する

繰り返し」タブをクリックして、繰り返し課金固有の設定を行います。

項目 入力値 備考
データソース サブスクリプション サブスクリプションの契約数量に基づいて課金する方式
料金計算タイプ 課金 標準的な料金計算方式

データソース「サブスクリプション」について

繰り返しタイプでは、データソースとして「サブスクリプション」「なし」が選択可能です。例えば、1ユーザーあたり1000円といったような契約の場合は、ユーザー数の増減により月額料金が変動します。この際はデータソースを「サブスクリプション」と設定することで、ユーザー数の管理が実現します。

Rec02_Rate_Element_Recurring_Hl.png


Step 5: 保存する

重要: Subscription Billingの料金要素は、一度保存すると削除できません。本番登録前に必ず入力内容を確認し、問題がないと確認できた段階で保存してください。

入力が完了したら「保存」ボタンをクリックします。


使用量ベース料金要素の登録

Step 6: 使用量ベースを選択する

再度「作成」ボタンをクリックし、ドロップダウンメニューから「使用量ベース」を選択します。

画面右側に新規作成フォームが表示されます。上部に「使用量ベース」バッジが表示されていることを確認します。

Prod05_Rate_Element_New_Form.png


Step 7: 一般情報を入力する

一般情報」タブに以下の項目を入力します。

項目 入力値 備考
ID RZRK1_USG_57Z プロジェクト固有のID体系に合わせて命名
ラベル(日本語) 57Z_従量課金 画面表示用の名称
単位 時間 (HUR) 使用量の計測単位
有効 ON(デフォルト)  

Prod02_Rate_Element_General_Hl.png


Step 8: 使用量ベースタブを設定する

使用量ベース」タブをクリックして、使用量課金固有の設定を行います。

項目 入力値 備考
データソース 使用量 使用量ベースでは固定値
使用量レーティングバリアント 集計 使用量を集計してから料金計算する方式
技術リソース ID のタイプ ZRK1_USG_57Z 外部システムから使用量データを送信する際に使用するリソースID
技術リソース自動生成 OFF  
料金計算タイプ 課金 標準的な料金計算方式

使用量レーティングバリアントについて

「集計」は、一定期間内の使用量をまとめて算出し、その合計に基づいて料金を計算する方式です。稼働時間や消費量など、連続的に発生する利用量の計測に適しています。
一方、カーシェアリングのように利用の都度課金する断続的なケースでは、「個別」を選択することで対応できます。

Prod03_Rate_Element_Usage_Hl.png


Step 9: 保存する

重要: Subscription Billingの料金要素は、一度保存すると削除できません。本番登録前に必ず入力内容を確認し、問題がないと確認できた段階で保存してください。

入力が完了したら「保存」ボタンをクリックします。


登録完了後の確認

保存後、料金要素一覧に以下の2件が表示されていることを確認します。

料金要素ID タイプ データソース ステータス
RZRK1_REC_57Z 繰り返し サブスクリプション 有効
RZRK1_USG_57Z 使用量ベース 使用量 有効

S/4HANA Cloud側への連携確認

Subscription Billingで料金要素を登録・保存すると、MDI(SAP Master Data Integration)を経由してS/4HANA Cloud Publicの製品マスタに自動的にレプリケーションされます。

レプリケーション後の製品タイプ

S/4HANA Cloud側では、Subscription Billingから連携されたオブジェクトは以下の製品グループ/タイプで登録されます。

Subscription Billingのオブジェクト S/4HANA Cloud側の製品グループ/タイプ
製品(Product) 購読請求製品 (SBPD)
料金要素(Rate Element) 購読請求レート要素 (SBRE)

S/4HANA Cloudでの確認手順

S/4HANA CloudのFioriラウンチパッドにアクセスし、「製品マスタデータ管理」アプリを開きます。

検索フィールドに *57Z* と入力して「開始」ボタンをクリックすると、本記事で登録した料金要素が製品マスタとして連携されていることを確認できます。

S4_Product_Master_57Z.png

テキスト ID グループ/タイプ
57Z_IoTサービス製品 PZRK1_IOT_57Z 購読請求製品 (SBPD)
57Z_定額料金 RZRK1_REC_57Z 購読請求レート要素 (SBRE)
57Z_従量課金 RZRK1_USG_57Z 購読請求レート要素 (SBRE)

参照: レプリケーションの詳細な設定や前提条件については、SAP Help Portalの以下のページを参照してください。

Replication of Products and Rate Elements | SAP Help Portal

なお、一部の項目については初期作業としてマニュアルでの値の追加が必要です。詳細は上記のHelp Portalページを確認してください。


まとめ

  1. 繰り返し料金要素(RZRK1_REC_57Z)を登録
    • 一般情報:ID・ラベル・単位(各/EA)
    • 繰り返しタブ:データソース=サブスクリプション、料金計算タイプ=課金
  2. 使用量ベース料金要素(RZRK1_USG_57Z)を登録
    • 一般情報:ID・ラベル・単位(時間/HUR)
    • 使用量ベースタブ:データソース=使用量、レーティングバリアント=集計、技術リソースID、料金計算タイプ=課金
  3. S/4HANA Cloud側の製品マスタデータ管理アプリで、MDIによるレプリケーションを確認

2つのタイプの主な違いは以下の通りです。

比較項目 繰り返し 使用量ベース
データソース サブスクリプション 使用量
技術リソースID 不要 必要(外部システム連携に使用)
課金の基準 契約期間・数量 実績使用量

次回の記事では、料金プランテンプレート登録について解説します。登録した料金要素を組み合わせてテンプレートを作成・公開する手順を取り上げます。



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